圧電式荷重センサ、荷重、高感度、クリック感、フィーリングカーブ
依頼主業種 : 携帯電話機器

スイッチ試験機のフィーリングカーブ測定

抱えていた課題

従来のロードセルではクリック感の測定ができなかった。
剛性が高く応答性が良いセンサでフィーリングカーブの計測をしたい。

課題解決

 スイッチの感触パラメータは図1に示す押し力・戻り力・移動量・クリック率の要素で決められます。同じ荷重でも移動量が長くなるとソフトでなめらかな感触、移動量が短くなるとシャープで小気味よい感触になります。またスイッチのONする荷重値が高いと硬いスイッチになり、クリック率が変わると指に感じる感触も変わってきます。このように様々な要素が複合的に組み合さり操作フィーリングとして感じることができます。
 力やひずみなどの測定に利用されている圧電式センサは、応答性に優れていることからスイッチ試験機における感触パラメータを測定するセンサとして最適と考えられます。また動的分解能に優れていることから、クリック発生時の高速で僅かな変動を測定することができます。 ここではスイッチを押したときに発生する感触パラメータの挙動において圧電式荷重センサを用いて測定した方法を紹介します。

図1 スイッチ押し感のフィーリングカーブ

押し力:スイッチがONする最大荷重

戻り力:スイッチが元に戻ろうとする力

移動量:スイッチがONするまでの距離

クリック率:スイッチの押し感

 感触パラメータの測定は、スイッチが加圧され荷重が発生する位置に、図2に示す電荷出力型圧電式荷重センサ(型式:FTA20)を取付けて行いました。センサは荷重のかかるもっとも近い位置に、ボルトで一定の予圧で密着させておく必要があります。高精度・高剛性であり、低荷重から高荷重までリニアに出力します。

図2 電荷出力型圧電式荷重センサ

 スイッチ試験機の電動シリンダ先端と押しピンの間に図3赤丸に示すように、圧電式荷重センサをM6のボルトで与圧をかけて設置しました。押しピンの真下に置かれたスイッチを押し込み、センサから出力される信号をモニタしました。

図3 スイッチ試験機におけるセンサ実装位置

測定条件

押し込み速度:8mm/sec

移動量:0.27mm

センサ感度4.4pC/N

アンプ感度10pC/V

 図4に示すように、圧電式センサでは感触パラメータに基づくフィーリングカーブの取得をすることができます。クリックの挙動は約0.16Nの8msecとなっています。1000回の測定を行い、全て同じ位置にA,B,Cを取得することができました。

図4 測定した感触パラメータのフィーリングカーブ

測定結果

押し圧力A:520mV(1.24N)

戻り力B:420mV(0.9N)

C  :480mV(1.08N)

クリック率:7.6%

圧電式荷重センサでは加圧中の感触パラメータを測定しA点・B点・C点を高速かつ精度良く測定できることから、スイッチの良否判定に使用することができます。
圧電式荷重センサの剛性は非常に高い為、長期間の使用が可能です。

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