圧電体は、特定の結晶軸の方向に力が加えられると、その力に比例した電荷が結晶表面に生じます。この現象は、1880年にピエール・キュリーとジャック・キュリーの兄弟により発見されたもので、圧電効果と呼ばれています。
圧電効果を利用したセンサは荷重、ひずみ、トルク、圧力、振動、AEの測定用として広く使われています。
ひずみゲージ式センサと比較した場合、圧電式センサの方が、剛性・応答性・耐ノイズ特性・寿命等の点で優れています。一方、センサから得られる微分信号をチャージアンプで積分して力やひずみ量を測定する圧電式センサは、時間に伴うドリフトが僅かずつ生じます。このため、静荷重などの長時間の測定には、ひずみゲージ式センサの方が向いています。用途により圧電式センサとひずみゲージ式センサの使い分けが必要となってきます。
圧電式センサの特徴を活かして、塑性加工、切削加工・研削加工、接合加工などのプロセスの監視や制御に用いられています。ほかには、スイッチやバネの反力、コネクタの挿抜力を測定することによって良否を判定する製品検査などにも用いられています。
プレス加工
曲げ加工
その他 抜き加工、深絞り加工等
旋削加工
フライス加工
その他 穴あけ加工、研削加工等
端子圧着
リベット締め
圧入
スポット溶接
その他 ボンディング、かしめ等
チップマウンティング
バネ反力検査
その他 スイッチ検査、挿抜力検査 等
荷重センサに使われる圧電体は,人工水晶を使用しています(図1)。人工水晶はX軸方向に力が加えられた場合にのみ,その力に比例した分極が短時間だけ現れ、結晶表面に電荷が発生します。この特性を利用してX軸垂直方向にだけ反応する円筒状薄板のXカット測定素子を切り出します(図2)。
X軸方向に圧縮力または引張力が加えられて結晶表面に電荷を生じる現象を縦効果と呼んでいます(図3)。
(図4)は,Xカット測定素子を用い、荷重を測定するセンサの断面です。このセンサで圧縮力および引張力を測定できるようにするためには、センサを二つの部材の間に挟み込み、センサ中央の穴を通したボルトによって測定する引張力よりも大きな値の予圧をセンサに与えた状態にしておく必要があります。
(図1) 人工水晶
(図2) Xカット測定素子切り出し
(図3) 縦効果
(図4) 圧縮力(荷重)測定センサ
ひずみセンサに使われる圧電体はセラミック(チタン酸ジルコン酸鉛)を使用しています(図1)。
人工水晶と比べ発生する電荷量が多いので、小さな変化でも高い出力を得ることができます。
Y軸垂直方向に対して切出したYカット測定素子(図2)は、X軸方向のせん断力を受けた場合(図3)に結晶表面に電荷が発生します。この現象をせん断効果と呼んでいます。
(図4)は,Yカット測定素子を用いて取付けた面のひずみ量を測定するセンサです。センサの取付け面(下側)には突起部が設けられており、センサの穴に通したボルトによってこれらの突起部を被測定物の表面に一定の予圧で密着させておく必要があります。測定物の表面がひずんだ場合、突起部の内側に組込まれたYカット測定素子に、比例したせん断力が発生し、ひずみ量を測定することができます。
(図1) 圧電セラミック
(図2) Yカット測定素子切り出し
(図3)せん断効果
(図4) ひずみ測定センサ
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